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望遠鏡400年物語 地人書館
大望遠鏡に魅せられた男たち
望遠鏡はその400年間の歴史において、眼鏡用の2枚のレンズを取り付けた素朴な筒から、巨大な構造物へと進歩をとげた。各時代の巨大望遠鏡は宇宙観に変革をもたらしながら、天文学に興味のない人々にまで普遍的な注目を集めさせ、望遠鏡製作に多くの才能ある人々を引き入れた。それらはまさに、それぞれの時代の宇宙の謎と最先端の技術との狭間に位置している。
望遠鏡の歴史には、科学界で最も多彩な人物の非凡な才能と不屈の精神の物語がふんだんに織り込まれている。それは古代に始まり、17世紀、オランダで外交危機のまっただ中に、記録に残る最初の望遠鏡が突如出現し、一気に勢いを得た。その後、天文学者の要求は、研究の道具としてもっと高精度に、高性能に、そしてもっと大きくと膨らみ続けていった。
本書は、ティコ、ガリレオ、ケプラー、ニュートン、グレゴリー、ハーシェル、フラウンホーファー、パーソンズ、ナスミス、ハギンス、シュミット、ヘールなど、光学望遠鏡に変革をもたらした人々のエピソードを語りながら、天文学の歩みと望遠鏡400年の歴史を辿っている。アングロオーストラリア天文台の天文学者フレッド・ワトソンの語り口は、自身の体験も含めて彼独自のスタイルを示している。
著者
フレッド・ワトソン(Fred Watson)は、オーストラリアのアングロオーストラリア天文台の管理天文学者(Astronomer-in-Charge)で、オーストラリア最大の光学望遠鏡の運用責任者である。また、国際的な視線速度掃天計画のプロジェクト・マネージャーでもある。New Scientist をはじめ、Sky & Telescope、Astronomy Now といった科学誌・天文誌に多くの解説記事を寄稿し、放送出演も多く、一般への天文学普及活動によりデヴィッド・アレン賞(David Allen Prize)やエウレカ賞(Eureka Prize)という権威ある賞を受賞している。著書には、Why Is Uranus Upside Down? がある。